君は泣いていた。
ネット世界の片隅で、しくしくしく・・・泣いていた。
私が君の泣いている姿を見たのは、偶然通りすがったチャットの部屋。
確かに君は泣いていた。
話し掛けて見ると、とても泣いていた様に見えない話し振り。
・・・そんな強がり、私にはするな。 ・・・私はすでに君を見たのだから・・・。
それでも私はこう思った。
泣いている君が笑顔になるなら・・・と。
やがて君は、私に会いたいと振ってきた。
私は躊躇わず、OKした。 ・・・とにかく笑顔が見て見たい・・・と。
君は少し遅れて、待ち合わせの場所に到着した。
・・・私の容姿に少し怯えている様な・・・初対面だった。
君と遊園地に行って、カラオケに行って、食事をした。
・・・うん、私には本心を明かしてくれないんだな・・・と悟った。
そして夜、別れた。
・・・その日以後、頻繁に送ってくれたメールも音沙汰ない。
やっぱりな。
私の純粋で優しい内面は、貴女には届かなかったんだろう。
届かないということは・・・結局私が気に入らなかった他ならない。
・・・そして月日は何事もなく過ぎ去っていくのだろう。
このじれったい想いを心の片隅に置いたまま・・・。